甘いkiss...苦いkiss 第2話

彼女の存在

そして、和馬の横には同じく背の高い、スレンダーな感じのショートヘアの女性が立ち、その横には髪を一つに束ねた小柄な女性が並んで写っていた。

「梨花さん...」

和馬の横で明るい笑顔を見せる、ショートヘアの女性を見つめ目を細めた。

彼女の名前は、藤原　梨花 29歳。

和馬の大学時代の同級生であり、5年前から付き合っている恋人。

和馬の話によると、大学で研修医を終えた彼女は、小児外科の知識と経験を積むために、現在は京都府のＫ大学付属病院にいると言う。

ストレートで大学を卒業した彼女は、成績優秀、スタイル抜群、顔も...
悔しいのでそこそこと言っておきたい。

実家は、父親が個人病院の院長をしてるらしい。

そして、和馬も外科を看板に掲げた個人病院の次男坊。

「坊っちゃんにお嬢様。結局はそれかよ」

絵に書いた様なサラブレットカップルに、苦笑いをせずにはいられない。

彼女が京都の大学に行って2年。

忙しい二人は、年に3回程しか会っていないと聞いた。

そのせいか、和馬と一緒に居ても全くと言ってよい程に彼女の存在を感じない。

和馬は梨花さんの事を聞くと嫌な顔をする。