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第46話 買収
橋谷部長は、どうやらわたしの反応を窺っているようだった。
もしかして、その乗っ取りを画策している相手を、わたしが知っていると思っている?
一瞬、海斗の顔が浮かんだ。
まさか……、でも、海斗なら……。
「あの……乗っ取りって具体的には何を?」
わたしの質問に、橋谷部長はどこまで話せばいいのか考えているようだった。
そうだよね、わたしがその張本人と通じているかもしれないと考えているなら、不用意なことは言えないだろう。
ところで、どうしてわたしはその相手と通じていると疑われたの?
その前の会話を思い出す。
「わたしを襲った男達に心当たりはないか?」という話だった。
もしかして、橋谷部長は乗っ取りを画策している相手があの金髪男達だと考えている?
海運商事のような大企業を乗っ取るには、具体的にどんな手を使うのか知らないけれど、組織ぐるみとしか考えられないだろう。
そして、彼らは少なくとも海斗を知っている。
とすると……。
やっぱり彼らはネクストテクノロジーの人間?
ネクストテクノロジー社が乗っ取りを画策している?
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