第46話 買収

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 そう思いついたら、目の前が開けたような気がした。  海斗は、ネクストテクノロジーの力を利用して、海運商事を乗っ取るつもりではないだろうか?  それなら可能かもしれない。  あんな大企業に本気を出されたら、うちなんてひとたまりもないだろう。  ネクストテクノロジー社を背負う次世代の才気――。  そうだ、あの雑誌には、海斗がネクストテクノロジー社を「背負う」と書いてあった。  会社を背負っていくはずの貴重な社員をネクストテクノロジー社が簡単に手放すはずがない。  海斗とネクストテクノロジー社はきっと今でも繋がっているのだ。  そうして、海運商事の乗っ取りを画策している。  それが、海斗が言った、海運商事を潰すということなのかもしれない。 「……教えてください。わたしだって海運商事の社員です。会社が乗っ取られては困ります」  なかなか口を開かない橋谷部長をまっすぐに見つめて急かした。  彼は、それでも逡巡し、わたしから目を逸らす。  奥さんも橋谷部長を見つめていた。  気が付けば菜子ちゃんはすやすや眠っている。
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