プロローグ 人類が滅びた後の地球にて

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4 『魔女』モーガン=ル=フェイはヴァイリの死亡を確認したのち、異能を使い、日本とイタリアにいる仲間へテレパシーを送った。 イタリアのほうからは爆発音や破裂音が鳴っていたので、まずは日本のほうから。 「ジン。任務は?」 『弱っちい上にマズカッタ。最悪の気分だぜ』 「文句言わないでよね。これも『安全圏』確立のために必要なことなんだから」 『ま、俺らの中じゃあモーガンが一番「マシ」だしな。信じて頑張るしかねーか』 「三流大学生に頼る秘密組織なんて笑いモノですけど」 『っつっても、俺は敵をブッ殺すっつー選択肢しか選べないし、アリサはオーバーテクノロジーのくせに馬鹿だし。他の奴も頭良いってのはいねーしな。ってなわけでモーガンに頼るしかねーんだよなー』 「すっごい嫌そうね。もうしばらく地上に放置でもいいんだけど?」 『おー怖っ』 『デース!! アリサッ、人形殲滅兵器を全滅させたデース!! 褒めて欲しいデスッ』 「はいはい凄い凄い」 『おー。褒めて貰ったデス! ま、まあ、アリサは最強だからこの程度動作もないデスけど? けどけど?』 「はいはい。もういいから帰還するわよ。そこから移動しないように」 呆れたように会話を打ち切り、パンッと手を合わせるモーガン。 瞼を閉じ、ふぅぅぅと息を吐く。 それに連動して全身から青い光が滲み出た。 それらは三分の一を残して虚空へ溶けるように消えた。 「転移。第一秘密基地へ」 ブワッと膨れ上がった青い光がモーガンを包み込む。 日本、イタリアでも同様にジン、アリサが青い光に包まれ、三人が同時に消失した。
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