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過度な躾に理解出来ない自分を察してくれない彼らに、悲しくなることがしばしばあった。
自分のことはどう思われているのだろう、そう思うと心を締め付けられた。
今、アスカは同じように自分のことを理解してもらえず、心を許す者にまで怯えられたことが悲しいに違いない。
その辛さは自分が一番良く知っているはずなのに、大切な友達に対してしてしまうとは。
キィは頭を抱えて唸る。
自らを叱責し、後悔し、憤怒する。
それでアスカが楽になれるならどれだけキィの気持ちは救われるのだろう。
その時、部屋に二人が戻ってきた。
ユズはいつもと変わらぬ表情で再びキィの横に立ち、アスカは黙って正面に座ると、何食わぬ顔で笑顔を見せた。
「さぁキィ殿、続きをしますよ!」
「う、うん………」
普通の顔をするアスカが、かえってキィの気持ちを痛め付ける。
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