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ここはアスカを呼び寄せ、謝らせるのではないだろうか。
それでも今のユズなら、何をしていても信じられる不思議な包容力があった。
「私、癖で……つい……」
言葉を搾り出そうとするキィの頭を抱き寄せたユズは、ポンポンと叩く。
「もういい、いいから」
「でもぉ……」
「分かったから。付いて来い」
ユズはそう言って立ち上がる。
涙に濡れたキィも、つられて立ち上がる。
キィの顔を見てフッと笑ったユズは、ひでぇ顔だ、と言う。
ポケットから取り出したハンカチでキィの顔を無理やり拭うと、よし、と頷く。
「いいから、付いて来い」
「う、うん……」
キィは言われるがままに、ユズの後を追った。
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