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ユズのものとは違って柄の入った筆記用具が転がっている。
その中でもユズが手に取ったのは、一冊のノートだった。
花柄の、小さなノート。
それは他の筆記用具とは違い、大切に扱われている。
それをペラペラとめくり、そして優しい笑みを浮かべる。
パタンとそれを閉じると、キィに差し出す。
「まぁ、見てみろよ」
「う、うん……」
キィはユズからノートを受け取ると、表紙をめくる。
最初のページに書かれたものは、ユズとキィのプロフィールだった。
誕生日、性格、身長、体重を細かく。
アスカはまだ共に暮らすようになってから日が経っていない。
自分達がどのような人物かを早く理解するためにメモとして形にしたのだろうか。
次のページをめくる。
そこに書かれていたのは日記だった。
毎日のことを綴った日記。
スタートは、あの花火大会から始まっていた。
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