The past:3Days Ago

22/28
前へ
/75ページ
次へ
そこに記されていたのは、殆ど全てがユズとキィのことであり、自分自身のことはごく稀にしか書かれていない。 ページをめくっても、めくっても、そこに書かれているのは二人のこと。 二人が楽しそうな時は文章も楽しそうに書かれている。 逆に辛い時は控えめな文章で。 まるで自分のことのように、二人のことが綴られた日記。 そして時折現れるアスカ自身の内容というのは、いつも決まって同じ文章だった。 「姉御とキィ殿は、拙者を認めていただけたのだろうか」 たった一文のそこには、大きな思いが込められているように感じ取れる。 アスカは、そんなことを思っていたのか。 「馬鹿だよな、アイツは」 後ろでポツリと呟いたユズは、スッとキィからノートを取り、パタンと閉じた。 「キィも、馬鹿だよ」 あった場所に戻し、行くぞ、とキィに告げる。 うん、と返事をしたキィは名残惜しげに視線を机に向けつつ、仕方なくユズの後を追う。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加