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ユズが家に帰ると、二人は既に話し終えた様子でリビングにいた。
「ただいま」
ユズが言うと、二人はおかえり、と返した。
会話の少ない室内に、再びユズの声が響く。
「アスカ、少し来い」
「……御意」
何故か不安げに見上げてきたキィに笑顔を見せて、大丈夫、と言うとコクリと頷いた。
ユズは自らの部屋にアスカを招き入れ、そして机に向かうように置かれた椅子へ座るよう促す。
ユズが座ったのを確認してから席についたアスカは、突然頭を下げた。
「姉御、申し訳ありません!
キィ殿を傷付けてしまい……」
「やめろアスカ。お前が謝る必要はねぇ」
しかし、とユズの目を覗き込むアスカに再び、いいから頭をあげろ、と告げる。
御意、納得のいかないようにアスカは返事をして姿勢を正す。
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