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「寧ろ、アスカを傷付けてしまったな」
「いえ、拙者のことなど」
そう俯くアスカに頭を下げると、
「分かってやってくれ、悪気があるわけじゃねぇんだよ、キィにも」
アスカは慌てて手を振ると、
「わ、分かっています! 拙者はお二人のことは理解しているつもりです」
「なら安心なんだがな」
そう言ってユズは目を伏せた。
アスカはその姿を見て、どうなさいました? と問いかける。
ああ、と返事をしたユズは、
「お前にも心の傷くらいあるだろう。
だがな、所詮私は、キィの姉なんだ……」
そう言ったユズに、そんなことですか、と笑顔を見せる。
は? と顔を上げるユズに、小首を傾げながらアスカは、
「当然のことです。姉御がキィ殿を想うその心、いつも感服しております」
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