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「御門、十六夜。君たちを呼んだのは他でもない、大切な任務を申しつけるためだ」
ユズとアスカは三人の権力者の前に並んでいた。
相も変わらずポケットに右手を突っ込み、左手はいつでもナイフを抜けるようにホルダーに添えてある。
アスカはユズの半歩後ろに控え、柄に手を添えていつでも飛び出せるようにしていた。
「んで、私らに頼むってことは、相当焦ってんだなテメェら」
三人は顔を見合わせると、隠しても仕方がないという風に頷いた。
「その通りだ。君たちを信じる他、ない」
やっぱりか、と鼻で笑ったユズは
「本庄さんは?」
「別の任務ですぐには戻れん」
「それだけ緊急ってことか。……いつからだ?」
「今日が望ましい」
それに再び鼻で笑うと、内容を言え、とでもいう風に顎をクイとあげる。
「……こ、この街の、極秘データが盗み出された……」
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