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権力者の言葉に眉を潜めたユズは、一歩詰め寄る。
権力者はバツが悪そうに俯くと、
「な、内容は、教えられん」
「……んで、どうしろと?」
ユズの三白眼が権力者の泳ぐ瞳を突き刺した。
耐え切れずに目を逸らすと、ファイルに挟んでいた依頼書をユズとアスカそれぞれに手渡す。
一通りを斜め読みしたユズは顔を上げると、
「取り戻したらいいんだな?」
「ああ、データの保存媒体は分からん。だが、ある程度の移動手段は見当がついている」
その言葉には、ほぉ、と興味を持ったように口をニヤリと曲げる。
「おそらくだが、ロードランナーを使っている。配達依頼で何処かに運んでいるはずだ」
「……なるほど。堂々とすりゃ、かえって分かりにくいしな」
権力者は頷き、そして別の資料を渡す。
「間 宇宙、それを追って欲しい。配達依頼のスペシャリストで、バイク移動をしている」
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