The past:1Days Ago

8/14
前へ
/75ページ
次へ
空を仰ぐと、雲ひとつない青が広がっていた。 姫伊もつられて目を細める。 「私、柚のそういう考え方、好きだよ」 ポツリと言う。 よいしょ、と言って立ち上がった姫伊はお尻についた砂を払うと伸びをする。 「柚、最近前向きになったよね」 クスリと笑った飛鳥も立ち上がると、拙者も、と呟く。 「姉御のそういう姿、尊敬しております」 座っている柚に笑顔を向けると、 「拙者も同じ考えです。我々は、まだ先が長い。諦めるのも時に肝心かもしれません。 それでも、自分を忘れることだけはしたくないものです」 フンと柚は鼻で笑う。 ゆっくり立ち上がった柚は、2人の頭をくしゃくしゃと撫でた。 「私が変わったのも、お前らのおかげだよ」 柚は小さく、ありがとな、と呟いてバイクに跨った。 姫伊にヘルメットを投げる。 「行くぞ」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加