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ガイストは誰にでも平等に発生する能力で、一般人にも、犯罪者にも等しく発生する。
ポタポタと血を垂らすその手はヌッと伸びて人の頭を鷲掴みにする。
「て、てめぇ、何なんだよ!」
拳銃を片手に持った者が言う。
血まみれの手の者でも、はたまた頭を掴まれた者でさえない。
「……」
その言葉は血まみれの手の者へ向けられた言葉であり、不気味な仮面を被っている、仲間を全滅させた者への恐怖を含んだものだった。
仮面は真っ黒で、青く光るまん丸の10個の目が付いている。
後ろ向きには幾本かのホース状のものが伸びていた。
10個の目で静かに盗賊を睨み付ける。
「に、忍者…か?」
「……」
仮面の者が手を離すと、頭を掴まれていた者は崩れ落ちる。
ユラリと盗賊へ体を向けると、腰を低く落とした。
盗賊が恐る恐る戦いの構えを取った次の瞬間には、仮面の者は盗賊の背後にいた。
「なッ……」
盗賊の意識は、そこで終わっていた。
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