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柚と飛鳥は姫伊を挟むようにして背中合わせになった。 「前は姫伊に恥ずかしいところ、見せちまったしな」 柚は小さく呟く。 姫伊にその言葉は確実に聞こえていたが、そのような心当たりはなかった。 飛鳥は腰に帯刀する闇ノ影胤に手を添えながら、今は自分がいます、と言う。 柚は姫伊を振り返ると、フンと鼻で笑う。 「そりゃ、心強いな」 姫伊は柚の鼻で笑う仕草で、確実と言える法則に気付いていた。 本当にくだらないと思い笑うときは、人の目は見ずに笑う。 しかし、自分を見て笑うときは、照れ隠しなのだと。 柚が飛鳥のことを本当に頼りにしているのだと確信させる笑いだった。 この二人なら、そう思った瞬間。 突然周囲の地面が抉れると、その中からはゾロゾロと大量の獣竜が姿を現した。 ズラリと並んだ鋭い歯、灰色の体に尖った背ビレ、四本足。 姫伊は、この獣竜を見たことがあった。
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