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ジリジリと詰め寄るオーギュに警戒しながら
「姉御、アテナは?」
「今は、大丈夫だ」
柚は、今、という言葉を強調して言う。
この場を全力で乗り切ったとしても、この先に獣竜と遭遇しないという補償がない。
ここでアテナを使い切ってしまえば任務の失敗どころか、命の危険さえある。
最小限のアテナで制圧したいところ、手こずってしまっては元も子もない。
「それでも、やるしかねぇな」
「致し方ありません」
二人は再び群れに飛び込み、オーギュを蹴散らす。
柚が上体を反らして攻撃をよけると、目の前で鋭い牙がガチンと音を立てる。
ナイフを思い切り突き上げると下顎から脳を突き破り、鮮血が飛び散る。
顔についた血を拭いながら腕を振り抜いてアテナで攻撃、そして体を回転させて遠心力を生み出しナイフで斬撃。
飛びかかってきたものを蹴り返し、そのまま頭を踏み付ける。
肩で息をしながら攻撃を繰り返す。
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