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飛鳥は闇ノ影胤の柄を諸手で握り、対峙するオーギュを体重を乗せて斬撃。
すぐさま軸足を変えて体を回転させ、そのまま遠心力を利用して横薙ぎを繰り出す。
素早く、かつ最小限の動きで確実に急所をつく。
近距離戦を得意とする飛鳥にとっては最小限の動きであることが必要条件とされてくる。
しかし、次の瞬間。
「ッく……!」
死角から飛び出して来たオーギュにふくらはぎを噛み付かれる。
咄嗟に首を斬り落として大きく跳躍し退避する。
「飛鳥!」
柚は近くのオーギュを片付けるとバックステップで飛鳥のもとまで下がる。
「姉御、かたじけない」
「大丈夫か?」
柚は飛鳥の足を見て顔をしかめる。
「やっちまいました」
血が流れ出る足にはくっきりと歯型が残っていた。
「……やべぇ、な」
オーギュは口内に数種類のバクテリアを飼っている。
噛み付かれたということは、傷口からバクテリアが侵入して人体に悪影響を及ぼすことは言わずとして知れたことである。
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