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姫伊の声に反応した柚は回し蹴りで対応するとすぐさま次の攻撃へ移る。 自分の弱点である、左下の死角。 分かっていながらもカバーしきれないそれにもどかしさを感じながらも今は戦うしかない。 多数の水の塊を作ると、針のように鋭く変形させる。 柚の手の振りに合わせて飛び出すそれは弾丸よろしくオーギュの群れを地に伏していく。 柚が本気で戦う姿を目の当たりにした姫伊は、まるで舞っているかのような動きに目を奪われる。 文字通り弾丸の雨を降らせ、蹴散らす。 一歩踏み出すごとに数頭が倒れる。 柚の強さは、圧倒的だった。 「す、すごい……」 思わず気持ちが零れる。 しかし、その分だけアテナを使用しているということはリスクの増大に繋がる。 飛鳥は険しい表情をしながら柚の背中を見つめていた。 柚は目の前のオーギュに回し蹴りを食らわすと、立っているそれはいなくなった。 ゆっくりと振り返ると、終わったぞ、と呟く。
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