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第51話 日常
それからしばらくは、海斗もわたしも変わらない日常を忙しく過ごした。
部長となった海斗はそれこそ毎日深夜に帰ってくるようになって、すれ違いが続いたわたし達は、海斗の部屋で一緒に暮らすことにした。
陽菜ちゃんと楓にも了承を得る。
すると海斗の隣の部屋に住んでいる楓が部屋の交換を申し出てくれたのだ。
「じゃ、僕と部屋変わる?」
「え? いいの? 楓いい子ね!」
「いい子でしょう~」
わたしは、ぐりぐりっと楓の頭を撫でた。
「それだと、陽菜ちゃんは困るんじゃない?」
そんなわたし達をよそに、海斗は陽菜ちゃんを見て言った。
彼女は戸惑いながら「はい……まぁ」と曖昧な返事をする。
シェアハウスにあまりいなかったから気づかなかったけれど、もしかして陽菜ちゃんと楓、かなり親密になっている?
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