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「はい、ストーップ。現行犯逮捕ー」
数秒もしないうちに、安藤が複数の人間に雁字搦めにされた。
な、何?
見れば、ネクストテクノロジーの御曹司、ジェレミーが立っていた。なんでこの人達が助けてくれるの?
「あ、勘違いしないでね、俺が助けたのは偶然。目の前で襲われてるの見ちゃったらね、どんなに嫌いな相手でも助けますよ」
嫌い……って面と向かって言われると、大して知らない人でも気分が悪い。
「あんたを守っていたのはこの人達ね」
ジェレミーは棒付きキャンディーをぺろぺろ舐めながら、安藤を捕まえている日本人を指差した。
よく見れば、外国人と日本人が入り混じって安藤を押さえ付けている。
「初めまして、龍禅さんに雇われてこの一ヶ月ボディーガードをしていました江川(えがわ)です、よろしくお願いします」
江川さんと名乗った人が律儀にも名刺をくれた。
「海斗が?」
「ボディーガードを依頼されました。こちらはどうしましょう? 警察に突き出しますか?」
「えっ……」
江川さんが安藤を指差している。
警察に突き出すなんて、さすがにそこまでする気にはなれなかった。
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