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コウヨウヤマ アキミ
紅葉山 秋実。16歳。
シリツシキガミガクエン
私立四季上学園高校1年生の私は『オカルトクラブ』という部活に所属しています。
部活の中で私が一番年下で、先輩方からも可愛がってもらっています。
優等生、真面目ちゃん、委員長タイプ、と私のことを学校の皆――クラスメートだけでなく、担任の先生でさえ、私をそう評するのです。
いえ、嫌ではないんです。寧ろ感謝しているくらいで。
ただ……私の秘密を知ったら、きっと皆は私から遠ざかっていくでしょう。
今から語り部である私がする話とは、そんな絶望に等しい秘密を抱えた少女の―― まあ、つまり、私の話なんですけど……。
その日も私はいつもの時間に起きました。
午前6時30分――今日は第2学期の始まり、始業式です。
私の家は四季上学園からは少し遠いので、これくらい早く起きなければなりません。
それから寝ぼけ眼を擦りながら、洗面所で顔を洗います。
「……おはよう」
私は朝の挨拶をします。
さて、問題です。私が朝の挨拶をした相手とは誰でしょうか?
……家族? ええ、そうですね。平たく言えば、彼女も家族です。
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