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……このままだとペットだとかいう答えが来そうなので、正解を言ってしまいます。
答えは『鏡に映っていた私』。
ああ、違うんです。別に痛い人だとか、そういうのじゃないんです。
より正確には――
「……おはよう、私。アタシは今スッゴい眠いんだ。もう少し寝てけば良いじゃんかよー!」
乱暴な言葉遣いの私が鏡の向こう側から文句を言います。
「駄目だよ。これくらいに起きないと、余裕を持って学校に行けないよ」
私も鏡の向こう側にいる私に反論します。
その後も文句を言う私を無視して、私は朝食の置かれた食堂に足を運びました。
両親はいません。というか、数年前に死んでいます。
不慮の事故だったそうですが、その時の私は小さくてよく覚えていません。当時は祖父母がいたのですが、この数年の間に他界しました。それから親戚のいない私は、天涯孤独となり、今は援助を受けて生活をしていました。
ただし、それで寂しいかと聞かれると、私は「いいえ」と答えることが出来ました。
さっき洗面所で騒いでいた私です。
紅葉山秋実本人です。
とりあえず時間が進んでいくので朝食を食べました。勿論私一人しかいないので一つしか用意されていません。
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