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少し事件の黒幕振ってみたり。
「そこに血塗れで倒れている男が、今回の一連の殺人事件の真犯人……自称『切り裂きジャックの孫』、そうでしょ?」
正解。一応、前提は知ってるみたいだ。
そして、坂和の推理を引き継ぐように稲葉が、
「そして、君は君の目的のために、その殺人鬼を捕まえるために動いた」
「……正解。でも、全くの的外れだったけどね」
こうして対峙してみて分かった。
こいつは人を殺すようなクズでも、その死体を完璧に隠し通すほどの頭脳は無い。
春風達はまた違う事件に巻き込まれたんだ。……いや、全員が同じ事件に関わったとは言いづらい。だって、(春風と冬空はクラスメートだから顔を合わせているとして、)あの3人は放課後以降は一切顔を合わせていない。少なくとも、私はあの3人がいなくなった日は、誰とも会っていない。
「……だとしたら、犯人が同じなのかな……?」
「椰子島……?」
坂和が怪訝そうに私の名前を呼んだ。
おっと、つい考え事に耽ってしまった。
「この際正直なこと言うと、私達がこの街に来たのは、例の連続殺人事件を追ってきたからなのよ」
それから、地面に転がっている殺人鬼を一瞥して、比べるように私も見た。
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