1.ぼっち同士が出会う時

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「んなことより、何食べるか決めたか?」 「いや、メニューが無いのにどう選べというのですか」 「ああ、そうか。  この店はメニューが無いんだよ。食べたい物を言えば、可能な範囲で作ってくれるんだ」 「へぇ、変わった店ですね。  そのようなシステムですと、色々困る気がするんですが……」 「それは知らん。あの人に聞いてくれ」  実際は一般人が来ることは無く、訳ありの人しか来店しないのだ。  何故ならお店の周囲に陰陽道の結界が張ってあり、藍瑠のような陰陽師しか見つけられないようになっているのだ。  ちなみに彼は出会った当初、彩乃のことを不審に思っていたが、今はある程度信用している。  彼女が藍瑠の考えていたように妖の類いならば、いくらでも襲う隙はあった。  しかし襲いかかって来ることはおろか、霊力の片鱗すら見せていない。  更にこの店に対する反応が、一般人そのもの。  これらことから、彩乃自体は無害と判断したのだろう。  それに藍瑠の懸念は他にもある。  ーー謎のメールと霊力爆発の件だ。  これに関しては情報が全く無いため、現時点では対処の仕様がない。
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