2.メリーズドール

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 玲奈の作った料理に2人は舌鼓を打ち、お腹を膨らませた。 「どうだった?  自分で言うのもなんだが、まずくはないと思うんだ」 「とてもおいしかったです。  オムライスの卵はトロトロでしたし、トンカツもミルフィーユ状であっさりしてて、全部食べれちゃいました」 「そうかい。  それは良かった」  玲奈はパアっと花が咲いたような笑顔になる。  自信満々のようなことを口走っていたが、内心はハラハラしていたのだろう。 「紫之宮は……聞くまでもないか」  彼の前の皿も真っ白になっていた。  かなりのお気に入りのようだ。 「もし良かったら、また来てくれないか?」 「……は、はい」  彩乃は口ごもりながらも、何とか答える。  今日メリーズドールの呪いにより死んでしまうと理解している以上、安易に約束は出来ないからだ。  しかも彩乃は玲奈の正体を知らないため、尚更である。  逆に玲奈は彼女が立たされている状況を理解しているが、こんな発言をした。  きっと自らの弟子を信用しているのだろう。 「……玲奈さん、そろそろ時間なんで行きますね」  時計の針は6時10分を指していた。  メリーズドールから電話がかかってくるまで約50分といったところだ。
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