2.メリーズドール

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 藍瑠と彩乃は店主に見送られ、店を後にした。  ちなみに料金はきっちりと支払った。 「なかなかいいお店でしたよ、紫之宮君。  正直、青天の霹靂です」 「それは褒め言葉でいいのか?」 「最後の晩餐としては上々でした」 「……これから更級公園に行くぞ」  脈絡もなく告げた。  すると彩乃は困惑したように、言葉を紡ぐ。 「ですけど、そろそろ時間が。  メリーさんが来るですよ」 「だからだよ。  お前をメリーズドールの呪いから解放してやる」 「紫之宮君……  腐った瞳で言われても気持ち悪いだけです」  藍瑠は格好よく決めたつもりだったが、彩乃は1歩後ずさってしまった。  これはまた過去の黒歴史が蘇ってきてしまう。  彼は気持ちを風のように吹き飛ばす。 「と、とにかくだ。更級公園に行くぞ」 「……これ以上は迷惑かけられないですよ。  人形ももらったですし、食事も奢ってもらってーー」 「はぁ……  お前、結構バカだったんだな」  藍瑠は額に手を当て、嘆息。  彩乃は過敏に反応し、表情が強ばった。
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