1535人が本棚に入れています
本棚に追加
「…乗り換え、これで最後にするから。ここで乗ってXXで降りたらタクシーにしよう。」
「…え?」
「足、もう限界だろ?」
「…あ。」
帰りの電車の乗り継ぎ。
その間にも、絆創膏のおかげで一時緩んでいた足の痛みがぶり返し、足が痛くてたまらなかった。
その痛みのせいで小さな歩幅でしか進めずに、さらに左右の痛みが違うのでバランスの悪い歩行になっていた。
私は気付かれないようにしていたつもりだけど、直人くんにはわかってしまったらしい。
「ごめん…」
…ね。
私の言葉を打ち消して彼が言う。
「おんぶしてやろうか?」
私は笑う。
「こんな人ごみで?パンツ丸見えじゃん。」
「見せとけよ。」
「ヤダよ。」
「…俺もヤダ。」
最初のコメントを投稿しよう!