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隼人は椅子を後ろに倒しバランスを保ちながら窓をずっと眺める。
隼人「あいつら…なにやってんのかなー?」
考え込むと突然、目の前の景色が回る。
自分の目線が下に下に行き気付くと頭と背中に強い衝撃を受け飛び上がる。
隼人「痛ってぇ!!」
それは椅子を傾けていたときにバランスを崩しそのまま後ろに倒れたからであった。
眼が軽く涙で潤ってくると同時に音が聞こえた。
プルルルルルルル!!
プルルルルルルル!!
電話だ。
隼人は一人っ子で上の部屋にいるので家の電話の子機は常に部屋にある。
手だけ伸ばして白い子機を取ると、ボタンを押す。
隼人「もしもし?おぉブータンじゃん、おう、おう…えっ!?わかった!確かにそうだよな!よし俺もいく!」
ガチャン
急いで電話を切ると、お気に入りの赤のシャーペンを机上に投げると軽いジャンパーを着て家を飛び出した。
ブフォォォォ!!
まさに台風そのものだった。
雨風で髪はぐちゃぐちゃになり、傘は一瞬で飛ばされてどこかへ行ってしまった。
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