Ⅰ.8月28日

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そう思ったのだが、数学の下竹に呼ばれていたのを思い出し萎える。 帰りのホームルームはいつも一分ほどで終わるので、スクールバッグを背負い職員室に一人で向かった。 青年「あの、下竹先生いますか?」 職員室全体にそう問い掛けるが誰も知らんぷりをしている。 誰かが応えるだろう、と人任せなのだ。 すると入り口で止まっていた青年の後ろから男が迫ってくるのがわかる。 先輩かな?と振り向くとそれは紛れもなく下竹であった。 下竹「来たな、よし、カウンセラー室に来い」 青年「了解っす」 そうしてカウンセラー室に入り、机を挟んで一対一で座る。 すると開始早々下竹は一枚の用紙を机に置いた。 下竹「見ろ」 そこには 氏名 市瀬隼人 点数 31 学年順位 115/120 と書かれた紙があった。 ちなみに 市瀬隼人(イチノセ ハヤト)と言うのはこの茶髪でストレートヘアーの青年のことである。 下竹「これは今回の休み明けテストの結果だ。これを見て思うことは?」 隼人「…特に」 下竹「…」 さすがの下竹も期待していなかった反応だったのであろう、また別の紙を取り出して見せる。
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