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もう1年以上前のことを思い出す。
「あれは、蓮のせいじゃないって」
本当に蓮のせいなんて思ってないのに、蓮は苦笑いをして私の髪の毛をくしゃくしゃにした。
「いいの。絶対もう泣かせねぇから。じゃあな」
そう言い残し、背を向けて駅のホームに入って行った。
私はぐしゃぐしゃになった髪の毛のまま、蓮の後ろ姿が見えなくなるまで見つめていた。
蓮がどれだけ私を大切に思ってくれているかが分かって、鼻の奥がツンっとする。
…ズルいのは、蓮じゃん。
さっきまでは明日が楽しみでワクワクしてたのに、やっぱり…離れると寂しくなった。
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