20人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女との別れの朝は、
清々しい程の秋晴れの空の下。
別れの言葉に耳を塞ぎ、僕は俯く。
彼女は諦めたように小さく折られた
紙切れを無理やり僕に握らせた。
そこには、新しい住所と電話番号。
『バイバイ』
遠のく彼女の気配に耐えきれず顔を上げる。
小さくなる背中に
大きな声で彼女の名をで叫ぶ。
彼女は振り返り、手を振りながら
僕の名を叫ぶ。
これが彼女との最初の別れ。
永遠などこの世にはないと
幼心に刻み込んだ最初の日。
最初のコメントを投稿しよう!