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『緊張してる?』
『…。』
俯いたままの彼女の頬を親指でなでる。
距離を取ろうと、
後ずさる彼女の腕を強く
引き寄せ抱きしめる。
身を捩り逃れようする彼女の両手首を
左手で押さえ込み、
右手で腰を引き寄せる。
『…なんで?』
胸元から少し曇った彼女の問かけ。
素直に声に出して答えることが
出来たらどんなに楽だろう。
彼女の肩にそっと頭を乗せる。
湿った雨の匂いと甘い彼女の香りが
胸を締め付ける。
抵抗を感じていた
彼女の体から力が抜けた。
胸元で押さえていた両手首を自由に
すると、僕のシャツを握り締めた。
ジリジリと熱を帯びる体に
抗う術を彼女に奪われた。
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