Blood Than Water

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『…謝らない…から。』 『…。』 『だから、一生、許さないで。』 『…ズルい。』 彼女は、ベッドの下に脱ぎ捨てられた 服を身に纏うと振りむくことなく 部屋を出た。 遠くでバタンと扉の締まる音がした。 雨はいつの間にか止み、 カーテンの隙間から月が見えた。 窓を開けると、湿った風が部屋に 吹き込み、彼女の残り香を消してゆく。
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