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自分の部屋に戻ると、ホッとした。
着替えもせずにバスルームの扉を開け、
バスタブにお湯を張る。
何気になく自分の手首を見る。
そこには傷や痣は無い。
彼について知っていることは少ない。
名前と真面目な仕事ぶり。
他人との距離感は程よく、あまり慣れ合わない。
瞳の色は深く、どこか寂しげに見えた。
自分が負の感情に捕らわれている時は
他人の喜怒哀楽のブレに敏感になる。
彼からはそれを感じた。
一晩限りの相手には最適だった。
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