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「ちょっと休憩しようか」
俺は、わざとメインの道を外し、ひと気のない堤防に車を止めた。
「あと少しなのに、どうしたの」
悟史くんは、不思議そうな顔をしている。
俺は、悟史くんの方に身体を預けて、その唇を塞いだ。
「ん…」
悟史くんは、驚いたように、俺のシャツをキュッと握り締めている。
「俺、もう悟史くんに夢中だよ。悟史くんの願いなら、全部叶えてあげたい」
俺は、唇を離して、悟史くんを見た。
「湘くん…」
みるみる悟史くんの目が潤んで、それをみて、俺も胸が熱くなった。
「どうして欲しい?」
「……」
悟史くんは少し考えて、そして静かに言った。
「湘くんの身体、見たい」
「え」
「そいで、触ってみたい」
「いいけど」
そう言うと、悟史くんは、嬉しそうに、「さあ、行こう」と運転を促した。
そんなんでいいのか、と内心ホッとしたようながっかりしたような気持ちになった。
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