第1話

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「ちょっと休憩しようか」 俺は、わざとメインの道を外し、ひと気のない堤防に車を止めた。 「あと少しなのに、どうしたの」 悟史くんは、不思議そうな顔をしている。 俺は、悟史くんの方に身体を預けて、その唇を塞いだ。 「ん…」 悟史くんは、驚いたように、俺のシャツをキュッと握り締めている。 「俺、もう悟史くんに夢中だよ。悟史くんの願いなら、全部叶えてあげたい」 俺は、唇を離して、悟史くんを見た。 「湘くん…」 みるみる悟史くんの目が潤んで、それをみて、俺も胸が熱くなった。 「どうして欲しい?」 「……」 悟史くんは少し考えて、そして静かに言った。 「湘くんの身体、見たい」 「え」 「そいで、触ってみたい」 「いいけど」 そう言うと、悟史くんは、嬉しそうに、「さあ、行こう」と運転を促した。 そんなんでいいのか、と内心ホッとしたようながっかりしたような気持ちになった。
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