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「湘くん?」
背中から声を、かけられた。
柔らかに響く声。
振り返ると、悟史くんと知らない男が立っていた。やけに目力が強い男で一瞬躊躇する。
「悟史くん…」
「久しぶりだねえ」
相変わらず、のんびりとした話し方で、悟史くんは、俺を見た。
「そうだね」
どくん、どくん。
心臓の音がうるさく響く。
あれから、一体どれくらいたったのだろう。
「2年振りくらい?3年?」
悟史くんのいい加減な感じすらなんだか懐かしい。
「2年半振りだよ」
俺はそう言って、悟史くんの隣の男にちょっと会釈する。
彼も、ぺこりと、頭を下げてくれた。
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