第1話

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「湘くん?」 背中から声を、かけられた。 柔らかに響く声。 振り返ると、悟史くんと知らない男が立っていた。やけに目力が強い男で一瞬躊躇する。 「悟史くん…」 「久しぶりだねえ」 相変わらず、のんびりとした話し方で、悟史くんは、俺を見た。 「そうだね」 どくん、どくん。 心臓の音がうるさく響く。 あれから、一体どれくらいたったのだろう。 「2年振りくらい?3年?」 悟史くんのいい加減な感じすらなんだか懐かしい。 「2年半振りだよ」 俺はそう言って、悟史くんの隣の男にちょっと会釈する。 彼も、ぺこりと、頭を下げてくれた。
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