第1話
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「もう、悟史くんに振り回されるのは、嫌なんだ」 俺は、2年半前の6月。悟史くんにそう言った。 それきり、俺たちは、会わなくなった。 悟史くんは、何度か携帯に着信をいれてくれたけれど、俺は、それを無視し続けた。 無視することで、自分の気持ちと戦った。 そして、1年後にやっと、アドレスから悟史くんの名前を消した。 そうやって、少しずつ悟史くんのことを忘れていったつもりだったんだ。
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