須藤 翔

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「なんだよ。今日もしけた顔してんねー」 須藤はそう言うと、教室に入ってきた。 ……窓から。 言っておくがこの教室は三階にあるため、空を飛べもしないかぎり窓からは入れない。 「須藤、何回言えば分かるんだ! 窓からは入らないでくれといつも言ってるだろう」 「だって、ここから入ったほうが階段のぼるより楽だもん」 彼はそう言うと、何事もなかったかのように俺の前の席に座り鏡を出し髪を整え始めた。 「いやぁ、今日急いできたから髪が風でぐちゃぐちゃだよー」 「今日は鳥に当たらなかったか?」 俺はバックから一時間目の道具を取りだしながら、須藤に聞いた。 「いやいや! 大丈夫だったよ。トモは俺が2度も飛行中に急ぎすきて鳥にぶつかるなんて思う?」 「うん」 そう彼は超能力者、須藤 翔(スドウ カケル)。能力は『飛行』。つまり空を飛べるのだ。
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