3人が本棚に入れています
本棚に追加
須藤は髪を整え終えると、俺の目の前に顔を近づけてきた。
「ところで、トモ……。今日ってなんか大事なことなかったっけ?」
須藤の大きな瞳が俺を見てくる。この瞳で見つめられて落ちない女性はいないだろう。須藤はこの学校でも三本の指に入るくらいの超イケメンだ。
「お前の誕生日ってことくらいしか分からんが」
俺は須藤の顔を手で押し返し、自宅から持ってきた本を読み始める。すると、須藤は片手を俺の目の前に出してきた。
「……この手は?」
「いや、誕プレください」
「やらんわ」
俺は無視して本を読み続ける。
「ケチだなあ」
須藤はそう言うと立ち上がり窓を開けた。
「じゃあ、愛しのマリちゃんからもらってこようっと」
そう言うと、須藤は窓から身をのりだし、そのまま浮遊し四階へ行った。
……あの能力をもっと世の中の役にたつことに使えないのだろうか?
俺はため息をつき、本を読むのを再開した。
最初のコメントを投稿しよう!