須藤 翔

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「ほらほら、みんな席つけー」 須藤と無駄な時間を過ごしている間に担任が教室に入ってきた。 もちろん、普通にドアからね。 話をしていた者や、廊下にいた者が一斉に席につく。これから、朝のホームルームが始まる。 須藤も体を前に向き直し、担任の方を見た。 「はい、じゃあ出席とるから……、相澤!」 「はい」 担任がクラスの出席を確認していく。こういう普通の何気ない日常が平和だ。こういう時が一番幸せかも。 俺は窓の景色を見ながら、自分の名前が呼ばれるまでたそがれていた。 外は桜が散り始め、もう春の終わりが近づいていた。
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