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「部長には隠せませんね」
「当たり前だろう。人事部にいたんだ、その位見破れんで人事部長が務まるか」
部長は人差し指で私の頭を小突いた。
「正直申し上げて、営業のほうが楽しかったですね」
「そうか」
「相手に合わせて戦法を練る、で、計画を立てて動く……というのは今の職務にはありませんから」
営業はスリルがある。
初対面の人間と話をする機会も多い。相手が男性なら尚のこと、だって男性の動揺する目線を味わえるから。胸元の開いたカットソーを着る下品なやり方はしない。ポリシーに反する気がするから。
どのみち、社外と言えど社内恋愛に等しいから手はつけないけれど。
「随分と大きな口を叩くようになったな」
「成長した、と仰ってくださいませんか？」
「そういう口の効き方もだ」
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