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『君、大丈夫?』 案の定、コンパの最中に私ばかりを見ていた男がついて来た。見た目も悪くないし、総合商社勤務だと名刺ももらっていた。結婚相手には申し分無い。 『大丈夫。お酒の席は苦手で……ちょっと休みたい』 私はこれみよがしに目の前の通りに目をやる。この辺りでは有名なホテル街。 『……寄ってこうか?』 私は頷いた。 男はそれを確認すると私の腰を押すようにホテルの入口へと誘導した。 そしたらセンセイは綺麗な女性を連れて私の目の前を横切った。左目の目尻にあるホクロ。跡を付けた。鍵の音で視線を向けたセンセイが私だと気付いたかは分からない。何処かで見掛けた女か自分の勤める歯科医院の患者かと記憶を手繰っていたか、それともこれからヤろうとする下品な女を物珍しく見ていたのか。
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