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なんとか、無事に北口にたどり着いた
……確か、叔父さんが待っててくれてるはずだけど
ううっ……人が多い……
駅前広場にはこれでもかって程
たくさんの人がどこかへ向かって
皆、急ぎ足で歩いている
これが、東京……
私が人の多さに驚いて
しばらくその動き方を眺めていると
左から聞き慣れた声がした
「……お~い、ミキ~」
……叔父さん、今来たのね
左を向くと、特に急ぐ様子も無く
手を振りながら、叔父さん
橘 琴希が来た
「こんにちは」
「美希、よく来たね~
大丈夫だった? 迷わなかった?」
「大丈夫よ、このくらい」
……さっきも迷ってたけど
「そっか、美希も、もうすぐ高校生だもんな!」
叔父さんは私の小さな嘘にも気づかず
ニコニコと笑っていた
「……ところで、叔父さん
何で、私の事をあんなに必死に呼んだの?」
「ん、そんなに必死だった?」
電話、5回もしてたじゃない……
「そんなに必死だったかなぁ……まぁいいや
えっと、美希は音楽って好きか?」
えっ……?
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