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「……きっと~見えるよね~」
ネックを握りしめた感覚
弦を鳴らした時の抵抗感
そして、鳴り響くボディと共に歌うのが
とっても好きだった
と、言っても弾けるのは1曲だけ
簡単なコードだけだから
ブランクが空いていてもなんとか弾けた
「……ふぅ~」
私が歌い終わると、叔父さんがテーブルの上に
ティーカップを2つ準備していた
「昨日な~そこのデパ地下で
いい紅茶が入っててさぁ」
……あんたはそこら辺の主婦かい!
叔父さんの行動は摩訶不思議
ってか、性格もいまいちよくわからない
私といる時はおおらかな性格なんだけど
叔父さんの友達に対しては
例え同学年であろうと、ですます調だ
ちょっと不思議な人なんだよね
全然、嫌いじゃないけど
私がそんな事を思っている間にも
叔父さんは他愛もない事を喋っていたので
適当に相づちをうっておいた
「……てなワケ、はい、紅茶入ったよ!」
……何が「てなワケ」だったんだろう?
何も聞いていなかったな
私と叔父さんは席に向かい合って座り
入れてくれた紅茶を飲みながらテレビを見る
しかし、まだお昼にもなっていないので
エンタメ系のニュースしかやっていなかった
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