太陽の巫女たち

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街は喧騒に溢れていた。 その中心部、一際大きく拓けた場所にある舞台の前に、多くの人たちが詰め掛けていた。 皆一様に頬を紅潮させ、今か今かと待ち構えている。 やがて、何かに気付いた者が声を挙げる。それは次々に広がっていき、最後には怒号のような歓声へ。 舞台の袖から次々と現れる女性たち。 明らかに成人女性と分かる者もいればまだ年端もいかない子供もいる。背の低い者、高い者。ぽっちゃりしている娘の隣には少々痩せぎすな少女。 それぞれがそれぞれ見た目も年齢も違う彼女たちだが、只一つ共通点があるとすれば皆同じ衣装を身に纏っているということだった。 ベリーダンスを踊りそうな格好といえば伝わるであろうか。 やがて女性達は舞台上に所狭しとと立ち並ぶ。 その数は総勢21人。 その中心に立っていた一際小柄な女性が一歩前へ踏み出る。 顔の前に垂れ下がるヴェールから覗く大きな瞳が印象的だ。 彼女はぺこりと頭を下げると、大きく息を吸い込み、叫んだ。 「みんな!今日は来てくれてどうもありがとーー!!」
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