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「大丈夫? 登れる?」 「ええ」 センセイと製薬会社の社員らしい女性は腕を組むでもなくタラップを上がって行く。女性の歳の頃は30位、至って普通のパンツスーツだ。 先に船に乗ったセンセイは螺旋階段を上がって行く。ボンボンと私も後に続いた。センセイの香りが鼻を突く。 確かにあの香水だ、併用してるのは何の香水だろう。女性が製薬会社の社員ならば、彼女も社内恋愛の対象ではないのか、そんなことが頭の中を交互に巡る。 グルグルと目を回して3階に着くとボンボンは螺旋階段を外れてフロアに出た。 「……」 でもセンセイは更に上の階へと上がる。私はそれを見上げていた。
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