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彼と目が合うとほんの少しだけ私に向かって口許を上げて笑ってくれる。
「俺の名前は小城 朔夜(コジョウ サクヤ)17才、高2」
そのまま端的に自己紹介を済ませると彼、朔夜さんは“後はご勝手に”と言わんばかりにテーブルに置いてあるノート型PCに目を移し、操作し出した。
物凄く速い指の動きにある意味私は驚いてしまう。
だけど伏し目がちな横顔はとてもキレイだった。
目の下にクマができていてちょっともったいなかったが、睫は長いし顎もシュッとしていて尖っている。
瞳は色素が薄いのか髪と同じくキレイな茶色だった。
肌も色白だし、朔夜さんはどちらかというと中性的な感じだ。
しかし私がどんなに不躾にガン見しても、彼は既にPCに集中しているのかまったく気にした風もなく、怒られもしなかった。
「朔夜はPC中毒なんだ。愛想が悪くてごめんね?」
そう私に説明してくれたのは和之さんだった。
彼に謝って貰って逆にこちらが申し訳ない気持ちになる。
首を横にプルプルと振ってニッコリ微笑んだ。
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