最強伝説

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. ―――バタンッ!! 「二人共、起きているか~♪朝だぞ~☆」 「―――えっ!?…あっ、」 部屋に入ってきたのは虎汰だった。 昨日も似た経験をしたな、などと思う暇もない。 遠慮なくズカズカと中へ入ってきた虎汰は、こちらまでやって来るとベッドの上の私たちをニタニタと見下ろす。 慌てた私は目の前の胸に手を置いて、煌騎から何とか離れようと試みた。 けれど彼は寝惚けているのか更に私を抱き締め、離してくれそうにない。 「やっぱこれくらいじゃ起きねーか、酒飲んだ次の日の朝はいつもコレだからなぁ……。そだっ!チィが起こしてよ♪」 「―――え、私がっ!?」 「うん♪チィだと起きそうな気がする☆」 キラキラと瞳を輝かし、期待の眼差しで私を見る虎汰。 彼が無理なら私でも結果は同じなんじゃとは思ったが、まるで純真無垢な子どものような眼で見られると断ることもできない。 深呼吸を一つすると、頭上に見える煌騎の頬にそっと右手を添えた。 「煌騎、起きて?もう朝だよ?」 「…………んん゙、」 「―――っ…!?」 少し、顔を顰められた……。 心が挫けそうになるが、虎汰はもっと声を掛けてと言う。 .
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