最強伝説

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. ここに置いて貰える事にはなったが、まだ私は彼らに本当の意味で受け入れられていない気がしたからだ。 それも当然の事といえば当然なんだけど、とても哀しいと感じてしまう。 深く項垂れていると、和之さんが顔を窺うように覗き込んできた。 「ネガティブ思考は禁止!…だよ?断ったのは人手が足りてるからだし、チィには煌騎の目覚まし時計になって貰わなきゃいけないからね♪」 今まで苦労させられてきたんだと、少し戯け気味に和之さんが言う。 私はそれを聞いてびっくりし、驚きに目を見開いていると並んで歩く煌騎が頭をポンポンと撫でた。 「人には適材適所ってのがある。チィは今のところ俺の抱き枕と目覚まし替わりってことだ」 「………適材…適所?」 「そっ♪だから気にしないで、ね?」 前を歩く和之さんが振り返りながら優しく微笑む。 役割を貰えたことに嬉しくなった私は、意味もわからずニッコリ笑うと強く頷いた。 「うん、わかった!私、『抱き枕』と『目覚まし時計』頑張るっ!!」 「―――フッ、」 「プッ、……フハハハッ!」 意気込みを見せるように両手を力いっぱい握り締めると、何故か二人は吹き出して笑い始めた。 ワケがわからず首を傾げれば更に笑われ、ますます意味がわからなくなる。 .
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