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でも私が言ったことで笑っているんだという事はわかったので、ぷくっと頬を膨らませた。
―――私は真剣なのに……ッ!!
すると煌騎は満足そうに私のほっぺたを人差し指で突き、空気を抜けさせる。
「そう怒るな、別にお前を笑ったワケじゃない」
「そうだよ♪チィがあまりに愛らしかったから笑ったんだ」
そう言って二人は最上級の笑みで、拗ねた私の機嫌を取ろうと頭を同時にグリグリと撫でた。
瞬間、私の顔はみるみる間に真っ赤なトマトみたいになる。
二人とも完全に子ども扱いしているってわかってるのに、何故か胸のドキドキが止まらない。
それはそうだろう、これだけ背が高くてイケメンな二人が自分の頭を撫でているのだ。
今更ながら私は凄い環境にいるのだなと改めて思い知った。
「あ~っ!? なかなか来ねーと思ったら二人して何してんだよっ!? チィ、こっちに来いっ!」
左隣のドアが勢い良く開いたかと思うと中から流星くんが出てきて、二人の長身に挟まれた私を救出してくれる。
しかし残念な事に彼も長身な為、気分はさながら連行される宇宙人……。
やっと虎汰が執拗に自分の身長を気にするのかがわかったような気がした。
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